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そばかすのsaeyannのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
4.0
Filmarks様オンライン試写会にて鑑賞いたしました。
いつもお世話になっております。

一番に感じたのはチェロの音色はあんなに素敵で心に響く音だということで自然と涙が溢れてきました。
まじまじとチェロの音を聞いたのはこれが初めてかもしれません。
楽器の音にはその演奏者の感情も一緒に奏でられるものなのかなとも思いました。

それにしても人って生き物は面倒くさいなぁって笑
見える部分は男と女という括りしかないけれど、見えない部分は本当にいろんな感情が渦巻いてる。思ったことを全て他人に伝えることもできないし、伝えたからといって、全ての人が理解できるわけでもないし自分と違う考え方の人を受け入れてくれるわけでもないし。
だからって、全てを遮断して生きていくこともできないわけで。

ただ、三浦さん演じる蘇畑佳純の周りにはなぜか必ず理解者が表れる。
性別関係なく、人間としての佳純を好きになってくれる人がいる。
お父さんとの関係もチェロという共通点もあり、温かいものを感じました。そう考えると何かしらの自分からの発信、発言、行動は理解者を呼び寄せてくれているわけで、生きていく上でやはり大事なことではないのかと思えました。

伊島空さん、前田敦子さん、前原滉さん、三宅弘城さん、伊藤万理華さん、北村匠海さん他の役者さん達もそれぞれの持ち味が存分に生かされていて、存在感みんなありましたね。
あぁ、こんな役も似合うなと新たな発見もあり、楽しかったです。
個人的に伊島さんのラーメン屋店主と前原さんの児童館職員は大好きです。

ラストの佳純が微笑みながら走り抜けていくシーンは誰もわかってくれる人なんていないって頑なな気持ちをほぐしてくれたような爽快感を感じました。人はやっぱり自分を理解してくれる、認めてくれる存在が一人でもいることで自分の存在価値を実感できるんでしょうね。
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