ゆう

そばかすのゆうのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
3.5
あーーすごく良くできた映画だと思うけど、not for me かも。まあそりゃそうか。

よかったところ。海辺の三浦透子、めちゃくちゃ絵になるわ。タバコも似合うなー。そして北村匠海…1プレイで違いを作れる素晴らしいプレイヤーに…。最後の言葉で全て持ってったね。

そっちを否定しないからこっちのことも否定しないでくれよ、がものすごく丁寧に描かれてたとは思う。not for meだったのは、何かを選ぶこと自体が、選ばなかった何かを否定することだと個人的には思うから。確かに主張することでしか繋がれないと思うけど、何かを主張して繋がること自体が、一つの選択であり侵害であること、それはマイノリティであっても例外ではないと思う。その辺の視線がない作品はあまり好みではないかな。

佳純も映画の話とかを理解されなければ虚しいし、理解されたら嬉しいという気持ちは当たり前にあって、恋愛・結婚を理解できないからとシャットアウトしてるのは佳純も同様では?と思う。周りの人々も理解されれば嬉しいし、理解されなければ虚しいと思うよ。まあこれまでの人生で散々うんざりしたのかもしれないけど。
恋愛・結婚してる人たちに対して、破局や不倫の何が悪いの?と言い放つことの無神経さは、なんで結婚しないの?と言い放つ無神経さと紙一重なんじゃないかなと。人間関係って相互理解のコストを積み上げるものだし、それはアセクシャルだろうとなんだろうと変わりないと思うよ。

恋愛・結婚するのがいいって言うことが誰かの生き方の侵害であるなら、恋愛・結婚なんてしなくてもいいって言うことも逆に侵害なのだと思う。本当に平等であるならばそう考えるべきでしょう。
少なくとも、みんなが好きなシンデレラのストーリーを自分勝手に書き換えて、年端もいかない幼児たちの前でそれを話すことが、誰の生き方も気持ちも侵害していないとは俺は言えないと思う。それがダメとかでは無く、マイノリティだから許される、声を上げようぜ!に賛同できないだけ。

なにか生き方を選ぶことは、他の選ばなかった生き方を否定することではない、でもいやしかしそうは言っても…。そんな葛藤の中でなんとか辛うじて理解し合うようなストーリーが好みかなと思いました。もう一回観たら気持ち変わるかも!
ゆう

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