自宅で映画を鑑賞するとき、途中で一度は一時停止をして、珈琲をおかわりしたり、何かしら休憩したりするのだけど、本作は一気に観ちゃった。
なんかよかった。
何が?と言われると具体的には説明できないけれど、まあ、主演の三浦透子さんの魅力もあるし…全体的な作品の空気感かなぁ。
人に対して恋愛感情も湧かないし、
性的な欲求も、もちろんない。
そんな女性が主人公。
恋愛やセックスが面倒だとか煩わしいとかそういうんじゃなく、その感情そのものがないんだ。
昔、今思えばそこまで仲良くない同僚の女性と2人で飲みに行ったことがあって、その同僚が恋愛とか夜の話とかいきなりし始めて、まるでそれが大人の女性の会話と言わんばかりに話すものだから、辟易したことがあるなあ。合わないなぁ…と思ってそれっきりになったけど。
それくらい恋愛感情って、誰でも持ってる、持っていて当然、むしろ持ってなきゃおかしい…くらいに認識されてる。その話題振っといたらいけるっしょみたいな。
わたしは、若い頃から合コンとかに興味もないし、どっちかっていうと男の人苦手だったから、男の人のいる空間って仕事以外ではほんと苦手だったことを思い出したな。
だからというのではなく、全く種類が違うけど、なんとなくこの主人公の佳純(かすみ)のこと、分かるなあと思った。
この性質が、人になかなか分かってもらえないのも分かる気がする。相手からしたら、そうは言っても…と思いたくなるのだろう。
アセクシャルっていうのかな…に当てはまる人って意外と身近にいるのかも知れないし、セックスしないカップルだって結構いるんじゃないかなと思うなあ。そういうの必要ないというか。一緒に出掛けたり、おしゃべりしたり、美味しいもの食べたりする方が楽しいというか。
佳純が作った紙芝居…おもしろかったな。
“シン・デレラ”だよね。決して多様性万歳!ってわけじゃあないんだけど。
最後にちらっと出演の北村匠海くん。彼の雰囲気、彼のまとう空気感が役柄と合っていて良かったな。
あと、冒頭の合コンで会った男のことを話す佳純の同僚の女の子の台詞が良かった。「想像する最悪の男の“7倍”最悪だった」ってのがおもしろかった。7倍ってのがね…なんか絶妙だなと感心した。
7倍…今度どっかで言ってみよう。
誰か突っ込むかな…ふふ。