多様性という言葉一つで片付けるのは簡単。
ただそれは当人を完全に無視した“つもり”の理解かも。
恋愛感情を抱かないアラサー女性のリアルを三浦透子が等身大で表現。
「宇宙戦争」トム・クルーズを引き合いに展開するシークエンスは完璧。
前田敦子との関係性含め素晴らしい。
当時劇場で観ていたら年ベス10本には入れてたかも。
映画を通して全てのシーンが好きと言えるぐらいですが、中でも終盤の家族での食卓のシーンがヤバい。
“勝手に”理解したつもりになる妹、変えられない価値観で化石と化した母、信用できない婿、最も冷静な父、達観した祖母。
要は家族といえどもみんな考えも性質も違うってことなんですよね。
それを型に嵌めようとすること自体がナンセンスというか。
あとはシンデレラの劇も良かったですね。
あれを保育園でやろうとするまでの一連の流れも良かったし、そこでデジタル映像を流しその場にいられないぐらい苦しい気持ちに押しつぶされそうになる佳純、そしてそのシンデレラの劇があの場だけで終わらない終盤のご褒美のような北村匠海演じる光とのシーン。
いやはや、「全てのシーンに意味がある」と言える素晴らしい映画を観られました。
好きだなぁ。
お見合いで出会った木暮との関係とその後の展開もかなりリアルで良かったですし、思い返せば僕にとって凄く完璧な映画でした。
〈キャスト〉
蘇畑佳純(三浦透子)
世永真帆(前田敦子)
篠原睦美(伊藤万理華)
木暮翔(伊島空)
八代剛志(前原滉)
天藤光(北村匠海)
蘇畑宮子(田島令子)
蘇畑菜摘(坂井真紀)
蘇畑純一(三宅弘城)
※2024年旧作鑑賞24本目
※2024年自宅鑑賞26本目
