るな

そばかすのるなのネタバレレビュー・内容・結末

そばかす(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

まずは三浦透子さんについて。
海を見つめてる透明感のある横顔と
一服してるタバコ姿が似合う女優さん
三浦透子さんみたいな女性ってそこら辺にいそうで中々いない感じの独特の雰囲気があって好き。最近みたのだとドライブ・マイ・カー。あれもあんまり女性って性別に当てはまらない男っぽい無口な感じのニュートラルな指向の感じが出てて、色白でつり目で雰囲気あるから
無表情で無口っぽい役どころすごいハマる感じする。逆にはしゃいだりキャピキャピした役、全然想像つかない…w

この作品みてると、実家の感じ小物とか壁とかリビングのテレビの感じとか、
妹役の子めっちゃ自然な上手い演技で妹感すごかった笑 『もっと超越したところへ』にも出てて、愛嬌あるギャルの役めっちゃハマってて今回みたいに甘える妹っぽい演技やらせたらダントツ。調べたら伊藤万理華って女優さんで、元々乃木坂46だったんだね!?びっくり
髪バッサリ切ってて誰か全然分からなかった ショート似合ってて可愛い
お節介だけど大好きなお姉ちゃんのそばたを心配してあれこれ言う妹の役どころ、けっこう焼き肉のシーンとか、
見せ場だったし、大事なシーン
過干渉なお母さん役も鬱持ちのお父さん無関心なちょっと派手なおばあちゃん
なんか色々バランス良くて配役のセンス
光りすぎてやばかった超リアルで
あれ以上にハマってるキャスティング
ほかにないんじゃないかって感じ

ほんとに東京に近い地方の片隅で、そばたさんが、今もあの家で暮らしてそう。どっかで必ず私たちと一緒に今を息をして電車に乗って買い物して働いてタバコ吸って、おつかれさまですーって言ってそうなそんな気がする


前田敦子なー…まさか前田敦子が来るとは思わなかった、しかも元AV女優役

そばたに比べたら、あの昭和レトロな雰囲気の街並みに前田敦子だけ画面から浮いてて、芸能人っぽい派手な女のオーラ抜けてなくて、赤リップの感じとか都会的なオシャレな服とか、あぁわかるってなった。AV女優役ゆえんの彼女の精神的な内面の葛藤とかあんま描かれてなくてただ、ただそばたの傍で、そばたの価値観を認めて応援してくれる存在として描かれてたけど、

最後、一緒に住もうってなったのに
結婚するっていきなりフラレるの
切なかった。。。
物件見てたら、「かすちゃん、ごはん出来たよ」って声がして振り向く感じとか
めっちゃ切ない。

寄り添うことはできても、
見てる景色、住んでる世界は
前田敦子とそばたは違うんだなぁって

なんか寂しかった

一緒に暮らしてるとこ、
私も見てみたかったなぁ…

たぶん、すごい幸せだったと思う

毎日料理作りあって笑い合って

けど、結婚っていう社会の枠組み

男女が付き合って恋愛して結婚して
子ども産んで育てる

そういう社会の暗黙の形式的圧力

わかる、苦しいよね

みんな感じてることを

映像化してくれて、

ほんとに監督ありがとう

とくに今の10代から20代前半は

北村匠海やそばたみたいな価値観の人
たくさんいると思う

大丈夫だよ、君だけじゃないよって
背中そっとさすってもらったような
そんな気分になった

この作品作ってくれた監督にありがとうと伝えたい


共感しかなかった
とくにホテルでキスされそうになって
告白されて断るシーン
告白断ったら男が逆ギレして
夜明け前にホテル出るとことか
私も同じ経験あるからわかるけど
勝手に恋愛感情もたれて
断ったら傷つけられて
傷つけるつもりなくて
友達としてずっと一緒にいたかった
だけなのに、

友達として男女が一緒に居続けることはできなくて、
付き合うか、別れるか結婚か、
それしか選択肢ないなんて、
悲しすぎる

グレーで曖昧な関係があってもいいと思う、全部ピンクじゃなくていい
なんでみんなすぐに恋愛につなげたがるんだろう、キスしたいとか恋人なりたいセックスしたいとか、そういう行為をしたいから、付き合って恋愛しようセックスしようってなるんだろうけど、

男の人に対してそうならないだけじゃなく、誰に対してもならないの、って
そばたは言ってたけど、

私もその気持ちわかるから、
やるせないというか孤独というか
結局自分は誰にも理解されないんじゃないかとか、なんか色々 不安に考えちゃうようね。。。

ラーメン屋の人みたいな目に
何回もあってると
傷つくし、男性に対してがっかり
しちゃって警戒するっていうか
また告白されて断ったら傷つけられるんじゃないかとか、

そんな中で、最後のラストシーン
北村匠海があらわれて、

みたい映画それぞれ映画館で見て

じゃ、

読みたい本それぞれ読んで、

じゃ、


あの何とも言えないフラットな
居心地いい距離感、

お互いがお互いを束縛したり
干渉しあったり恋愛みたいな
損得ゲームが発生しない

発生する気配なく
自分から、じゃ、
と切り出して自分の世界に
それぞれ帰る感じ

趣味をただ、ただ一緒に共有できる
男女だけど男女関係の気配がしない
雰囲気っていいよね

北村匠海の場合が特殊というか
ああいう男の人あんまりいないけど

最後の最後にそばたは出会えたわけだ

分かり合える自分と同じタイプに

あれはあれで、ハッピーエンドだなぁ

三浦透子の透き通った透明感のある
歌声がエンドロールに流れてきて
邦ロックのPVのようだった

なんだか、そっと心があたたまる

そんな素敵な映画だった

そばたは、今日もこの世界の片隅で
生きている。

私たちも、そう。

みんな1人じゃないよ、

私もそうだよ、だから大丈夫だよ


そう言われた気がした。
るな

るな