なーこ

ナショナル・シアター・ライブ「プライマ・フェイシィ」のなーこのレビュー・感想・評価

4.3
一人芝居みるの好きで、直近だとフリーバックの語りが懐かしい。この舞台は語りというよりもセリフの勢いが観客を押すイメージ。弁護士の世界なので降ってくる言葉、言葉!

ハロルドピンター劇場は小さい舞台なので、一人芝居とはいえそんなに壮大な舞台装置じゃないだろうな〜と思ってたら全然違った。

舞台の狭さを音楽と照明で補う。本棚の枠、数々の前例から出られない息苦しさが表されてる。
BGMもmetoo運動からインスパイアされていて、女性の権利含めてもかなり好きな演出の部類。

最初ジョディカマーのスピードについていけなかったんだけど、明らかに彼女の頭の展開についていけない私のあほさ。言葉を駆けめぐる彼女に手を引かれて舞台の世界へ入っていく感覚がめちゃくちゃ気持ちよかった。

大きな転換点のレイプシーンなんだけど、私の知識不足でレイプの定義を全然わかっていなかった……。酒を飲んで家に行くことはYesと同じ意味ではないってことはわかってたんだけど(当たり前)、相手に関しては自分が好意を持ってる人っていう部分が難しいと思った。

実際に付き合ってたんじゃないの?好きだと思ったんじゃないのって言われてしまうと当事者でない私でも覆すのはほぼ不可能だと思ってしまう。

最近別のジャンルでも、「この記録は男のもので、女については記録がなく当てはまるかどうか定かではない」っていう記事を見て、それもう昔の世界史の皇帝じゃん!と。己の歴史しか残さないんか!?


この作品が公開できた時代に生まれてよかったなあと心底思う。スクリプト買いたい。
なーこ

なーこ