〓映画ＴＫ３６５／１３４５〓
◁ ２０２３▷

▫バグマティ リバー
▫配信レンタル／U-NEXT
▫️Y!レビュー ☆☆☆☆☆未評価
▫️Ｔ Ｋ評価： ★★★★☆３.６
▫️映画ＴＫ通算：３０９０本
▫️Filmarks通算：２０４５本

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【若者へ、すべての人へ】

ショートフィルムとしてのスコアだと思ってください。舞台挨拶で、監督のご友人が、もっと長く観ていたいとおっしゃっていましたが、ショートフィルムとしての良さもありつつ、僕もそのように感じた。

僕は3000m付近で頭痛と吐き気がひどくなって、更にその上に行けなくなった経験がある。だから、登山には今でも恐怖心がある。

その後、ある時、ハワイ島に観光で行って、”マウナケア山頂で朝日”をみたいなツアーを見つけ、2500m付近で、身体を慣らす時間もあるとの謳い文句に惹かれツアーに申し込んだ。

しかし、その時、チリで大地震が発生し、ハワイ島にも津波が来るとの警報が流れた。僕たちは、2500m付近で身体慣らしをしていた場所から、急遽ホテルが用意した、高台の広場に移動せざるを得なくなった。

その結果、僕は今でも3000mより上には行けていない。

4000mからタンデムで飛行機からスカイダイビングしたことはある。でも、これは一瞬なのでカウントできるわけがない。

ところで、動物の中で思春期があるのは人間だけなのだそうだ。

そして、それがあったからこそ、僕たちの祖先は、ある時からアフリカを出て、世界中に広がったと云う説がある。

思春期は、人の冒険心やチャレンジング・スピリットが刺激される時期なのだそうだ。

思春期というと、どこか恋愛や反抗期などを思い浮かべがちだと思うが、この時に密かに培われた、こうした新しいものを希求する心は、その後、大人になっても、開拓者であろうとしたり、新たなる発見を試みたり、今では宇宙を目指すような人間を育てている。

世の中で言われる冒険家や、登山家もそうした人たちの一部だし、発明家も、環境保全に取り組もうとするスピリットのある人も実はそうではないかと思ったりする。

だから、登山家や冒険家は同時に環境破壊に抗議したり、環境活動家になる人も多いように思う。

思春期は、人間活動を世界中に広め、環境破壊も同時に世界規模になってしまった。

だから、今、振り返ることは大切なのだと思う。

前置きが長くなってしまったが、監督や栗城さんのご友人の舞台挨拶も聞いて、年齢を重ねたからといって、変に内側に閉じこもらずに、何か新たなものを希求する心は大切なのだと思うと同時に、栗城さんのようなチャレンジャーを見守る気持ちも大切なのではないかと思ったりした。戦場カメラマンのような人に対する気持ちとしても同じだ。

それは、もしかしたら、世の中のほとんどの人が経験する思春期に源があるかもしれないからだ。

ヒマラヤの雪解け水がバクマティ・リバーとなり、更にそれがガンジスに注ぎ、海に達し、海流として海を巡ったり、蒸発し、雪や雨となって地上に降り、循環している。

人間一人ひとりの思いも実は同様ではないのか。

10年、栗城さんと一緒に山に登りながら過ごしたネパール人の方が山岳ガイドとして出演していて、阿部純子さん演じる那月に、那月の亡くなった兄は家族だったのだと語りかけるシーンがある。

どこかありきたりになりがちな僕たちの世界の家族という考え方に対して、家族とは何だろうかと問いかけているようにも思えた。

こうした思いは人々の気持ちの間を巡るのだ。

ところで、阿部純子さんは、こうした感情を押し殺したような演技のなかの心情の揺らぎを表現するのが上手いなと思った。

ショートフィルムを映画館で

「ぜんぶ、ボクのせい」の松本優作監督作品


突然届いた差し出し人の無い絵葉書。

10年間音信不通だった兄からのものと直感しネパールに兄を追うヒロイン。
このヒロイン那月を阿部純子さんが情感たっぷりに演じている。

気がついたら全く兄と会っていない、兄妹なのにお兄さんの事を何も知らない。
昨日まで疑問を持たなかった関係。
兄がいたネパールに向かい、そこで見た生と死の概念。

エキゾチックな異国情緒満載
セリフの響きまで神様を感じさせる。
国が違えばこんなに考え方が違う。

死というものをこう捉えられればある種の恐怖からは解き放たれるのかもしれない。



松本監督と親しかった登山家の栗木氏。
彼のドキュメンタリーを制作中に栗木さんは滑落事故で亡くなられました。
栗木さんの意志を継ぎ、かならずこの地で作品を作ろうという監督の思いが詰まった作品です。

栗木さんと実際にシェルパをやっていたマンさんが出演されている。
素人とは思えない演技でした。
「サポートは同じ」だそうで演技も素のまま臨まれたそうです。





～～～～～ティーチン～～～～～


金子大地さん
松本監督の大ファン
こんな普遍的なテーマを30分に凝縮されてる。
自然には抗えない。
死と隣り合わせ。
追体験で兄と別れられると勝手に感じた。
阿部さんは絶対ネパールに行って良かったと思っていると思う。
死と生に向き合える。
映画も自然に生かされてる部分はある。
圧倒的なロケーションに感化された。
プライベートな小さなことでも演技と仕事には影響する。
天気もそう。
如実に僕は影響されるタイプ。
松本さんの作品はお芝居を超越して俳優の実力以上を毎回出す。
いつか僕も超越したい。
一緒に作る人との距離感は難しい。
繊細な事から作品は生まれる。



松本優作監督
登山家の栗木さんが滑落事故でドキュメンタリーを撮っているうちに亡くなってしまった。
僕の解釈は（栗木さんが）自分が山に登る生中継をすることで皆さんが壁にぶつかる事を乗り越える応援をしている。
ネパールは死と生が共存している。
死んだらまた次を生きれるから悪い事ではないとネパールでは考えられていて日本とは違う。

撮影は大変で富士山さえ昇った事ないのに後悔した(笑)
高山病を避けながらヘリコプターを使用して撮影をした。
1番大切なのは役者さんが芝居しやすい環境を作ってあげること。
それをスタッフにも共有している。
ネパールの自然は自分達がいかに小さいか考えさせられる。



丁寧なトークのティーチンでした

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