つもりもなく
落ちるのならば
せめてこんな手でも
摘みたかった
新しいまま
忘れられるなんて
まさか
荒々しく割れて
それでも
粉々にまでは
なれなくて
破片ばかりを集めては
もう一度だけ
知った花を象った
淋しい窓辺にも
風は吹く
代わりもなく
止まるとすれば
ろくなきっかけにも
ならなかった
美しいまま
思い出せるなんて
まさか
空々しく飽きて
それでも
ばらばらにまでは
なれなくて
希望ばかりを並べては
もう一つずつ
散った花に重なった
煩い汀にも
雨は降る
光るにしても
ここにいることは
夢らしく
荒々しく割れて
それでも
粉々にまでは
なれなくて
破片ばかりを集めては
もう一度だけ
知った花を象った
淋しい窓辺にも
風は吹く
