このレビューはネタバレを含みます
伊藤俊也、三億円ロストクライム
2011年6月10日 17時47分レビュー
製作角川映画他。脚本、監督伊藤俊也。
日本のカルト女囚物の傑作「女囚701号さそり」
原作漫画の枠をはみ出し、集団女囚物を残虐エロス
陵辱からイエロースプローテェーション物に仕立てた「さそり」シリーズ
世界で大ヒットをとげ
タランティーノは、その監督伊藤俊也の「さそり」魂を「キル・ビル」にぶち込み、
サントラに梶芽依子の歌声を聞かせるに至る。
そんな伊藤俊也監督の最新作という事で劇場見逃していた作品
チラシには奥田さんと渡辺謙さん息子大さん。
ロストクライム、三億円事件の文字、鑑賞となりました。
とっても面白かったです。反骨、警察、権利に異を唱える伊藤監督よろしく
新説三億円事件的、社会派作品でございました!
本作は、ミステリーではありません。注意!新説3億円事件のフィクションとして楽しんだほうが、良いかと思われます。
刑事の手柄やカッコ良い的デカアクション
派手デカアクションとか
面白なぞときポリスとか
よくあるテレビ二時間物とか
そういうものは、ありませんので宜しくお願いします。
あくまで新説三億円事件のその後のフィクションと捉えるととっても楽しめました。
久々に奥田瑛二さんことおやっさん刑事と渡辺大君の若手刑事のバディ風物語。
ひとつの殺人事件が、過去の三億円事件と今を結ぶ物語。
権利内の隠蔽、圧力、ブラックな力、安保闘争
二人のやりとりから事件は、過去と今を繋げ三億円事件を紐解きます。
無論私もフィクションとして飲み込んでますが、もしこんなんだったら、私は
警察がホラーに感じますね。
私の2008年邦画劇場ナンバーワン映画で、こちらも警察の黒い告白映画「ポチの告白」の菅田俊さんも渋く力強さ一杯で出演。
冷たいやな感じで必ず引っ張りだこの矢島健一さんも相変わらずの演技
生々しい川村ゆきえさんとのラブ
「さそり」シリーズからの伊藤組夏八木勲
原田芳雄、武田真治、かたせ梨乃、宅間伸と大ブッキング
ロストクライムを支えます。
時に笑え、時に警察の裏が見え、時に伊藤監督ラブもまじえながらも
新たなロストクライムを魅せてくれた閃光
ただでわすまされない
過去への光は、はたして明るいか?暗いのか?
確かに懐かしい感じ、やぼったい感じ、わざとっぽいのも楽しめましたよ!
だって伊藤監督の新作なんで、。
警官の描写、過去の描写は、相当リサーチされているそうです、必見!
私はラストの大君の目にさそり同様の冷たい怒りの光が見えた気がします。
怖いなぁ、ロストクライム
さて奥田、渡辺が魅せる三億円ロストクライム
その光は?いかに?