まめちち

シング・フォー・ミー、ライルのまめちちのレビュー・感想・評価

5.0
洋画は観られるのであれば極力吹替派のまめちちではありますが、映画好きの前に音楽好きなもんで、やはりどうしてもミュージカルや歌物は原曲を聞いてからでは成らぬ、成らぬのだよということで観てまいりました、シング・フォー・ミー、ライル(2022年製作の映画)字幕版!上映回数少なっ!!!?


◇ひとこと感想

歌うワニが存在するとゆう設定の荒唐無稽さが、ハナシの途中で(まめちちの気持ち的に)限界点を突破してしまい、「いや、待って、もう歌わんでも…!」となるんだけど、その度に良過ぎる楽曲とウタヂカラの強さに涙腺ぶっ壊されて、最終的にストーリーの展開とかどうでもよくなって感動してしまう映画でした。めちゃめちゃよかったー!

以下ネタバレ含むよ。


◇ネタバレ含むフタコト感想

ワニが直立歩行するくらいは、さして珍しいことではない世界線のハナシなのかもしれない。ということをまず念頭に置く必要があるのかも。と、途中から思って観てたんだけど、動物園に連れていかれてしまったライルに会いに行った先でパパンとママンが「仲間と共に暮らすのが彼にとっての本当の幸せなんだ!」みたいなコトを力説してきたあたりで、まめちちの脳がパーンッてなりまして。「そんなわけあるか」と。定石でいけば「大人の都合なんかわかんない!ライルは僕の友達だ!救い出さなきゃ!」となるジョシュの主人公としての覚醒シーンですけど、もうライル自体が、「言葉がしゃべれない」と「外見がワニである」だけの、ワニの枠を超えた知的超生命体過ぎてしまっているもんで、もう「その理屈はおかしい!」としか言いようのないストーリー展開でした。でもわりとワニ小屋にもなじんでたね…。

もうとにかくライルがかわいい。子ライルが裏声で歌ってる登場シーンの可愛さが尋常じゃなく、もうその時点でキャラクターにわしづかみにされてしまっているあたりから、正直ストーリだいぶどうでもよくなってしまってました。さらにヘクターとの歌の掛け合いが素晴らしくて、楽曲の良さも相まってあの開始(おそらく)十数分の展開で、もうまめちちボロボロ泣いておりました。

ジョシュも良かったね。歌があんまり上手じゃないエピソードとかハナシに組み込めばもっとラストで活かせたような気がするけど、細かいところで泣かせる必要ないくらい楽曲に自信があるのか、歌による剛腕演出がすごかった。

ママンが台湾の人ってのもなんか珍しい配役でしたね。キッチンのシーン可愛かったなー。あっとゆーまにヴィーガンの心根を捨てきったのは笑ったけど、ここもまた歌の良さで全部解決させて来るのすごくよかったです。

ここまで各キャラクターとライルの関係性が歌によるミュージカル的演出でまとめられていたのに、パパンのとこだけレスリングなのワロタ。ライルのデスロールのあたりにワニらしさの演出があって「そこだけなんでだよwww」ってなりました。家の中にワニがいるっていう恐怖がクロール凶暴領域とこうも違って出せるもんかとある意味感動した。

ヘクターの「絶対ショービズで成功したいマン」としての描かれ方がある意味「徹底」しててすごくよかった。人物像としてライルを利用して成り上がろうとしたダメオヤジではあったしそこに本心があったことには違いないけど、その根底にはやっぱりライルを輝きを信じた父の姿があったなぁと。「二足歩行で歩く」とか「屋根裏で人に見つからず生活できてる」とか「料理も何ならイケる」とか「風呂にも入る」とかゆうワニ以上の能「力」があったとしてもライルの歌声に秘められた真の「力」の輝きを最初から最後まで信じ切っていたのは誰よりもヘクターであり、彼の父親としての愛は、ステージで輝くライルを画面越しに観てた時のあの微笑みに全部詰まってて、よかったなぁと思ったです。あの表情は絶妙すぎて思い出すと泣く。ヘクターの思いあってこそ、この荒唐無稽なストーリーは輝くよなぁと思いました。

なんにしても楽曲の良さとウタヂカラパワーの強さが良かったー。児童書(絵本)の映画化ということもあるのか(どうなのか)、日本語吹き替え版にも力を入れて公開に至っているようで。そっちは大泉さんが歌われておるようですが、結構印象変わりそうだなぁと思いつつ、やっぱ歌上手いから観てみたくなりますね。タイミングみてみてこようかなと思いまーす。おわる。

あ、ラストにクロコダイルロックかけてくるとこ、うまーいってなりました。
まめちち

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