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スウィートハートのhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

スウィートハート(2021年製作の映画)
4.5
ヴァカンス先のライフガードに恋する話。モノローグの多い映画ってあまりに説明的すぎるから好きじゃないのだけど、この作品はモノローグがたくさんあってもすっっごい良かった。モノローグが観客への説明として機能してるのではなく、AJが口には出さないが四六時中なにかを考えているためにあるんだよね。周りに理解者が少ないと悟ったとき、自分の考えを内に秘めてしまう。だからみんなに「壁を感じる」とか「何を考えてるのか分からない」とか言われるんだよね。でも本当はずっと色々なことを考えてる(考えさせられる)。分かるよ……。だからAJのモノローグはどれも誠実だと思ったし、詩的な表現の数々にうっとりした(“これほどまでに溺れたいと思ったことはない”で死ぬほど泣いた)。

『君の名前で僕を呼んで』と二本立てで観たい。『君の〜』にみられたような理解者は、この作品には全然出てこなくてけっこう辛いのだけど(スティーブがずっと優しくて救われた、好き泣)救いのある終盤への展開がとても優しかった。

オレンジのサングラスで覆われていた瞳が、その補色である澄んだブルーだと気がつく。その時には、喜びも悲しみも怒りも、感情を剥き出しにしたAJが存在していた。

ロングランしてほしい。これ好きな人多い気がするよ!!!とっても良かったです。我慢できずしゃくりあげていた。
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