コブラ

わたしの見ている世界が全てのコブラのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

東京郊外、相続、四兄妹、都市農家、その他諸々。

自分のリアルへの接続度合いが高過ぎる “よくできた” モノを観ると、ここまで没入してしまうものか。映画鑑賞ってのはそれこそ現実からの逃避行動とも思っていたけども。

親の死という誰もが経験するライフイベントに直面した熊野家四兄妹の四者四様の心の変化を描く。

主役は成功者ワナビーで合理•個人主義の権化みたいな末っ子の遥風。「1番の近道」を知っている(と思っている)ので、他の兄姉の想いや気持ちを顧みず、無駄を切り捨て最短で“結論”に向かおうとする(言動は基本煽りのひろゆきイズム)。

兄妹達は遥風に引っ掻き回され、反目し合いながらも最終的には彼女が示したゴールに到達する。遥風もまた人々との出会いと決別を経験して無駄としていた回り道にこそ言語化のできないナニカがあるのかもしれない、と気付いたところで物語は終わる(と勝手に解釈したけど違うかも)。

その回り道、つまり悩んで迷った末に「納得して選択する」というプロセスがメチャクチャ大事だったよな、、、と思う事が最近多い。特に仕事において。そんなんもあってか、魂レベルで震えてしまいまして。

そんなコブラのゴミ感慨は全く別にして傑作だと思うからより多くの人に(特に若え衆)観てもらいなぁなどと珍しく思いましたまる


追記
ラストのモノローグはちょっと余計だったかも。
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