カタパルトスープレックス

ハントのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
3.7
イ・ジョンジェが監督と主演を務める80年代の韓国を舞台としたスパイサスペンス&アクション映画です。火薬マシマシ。

ボクは基本的に前提知識が必要ない映画が好きです。ボクは全く前提知識がない状態で本作を観ました。「え?80年代の韓国ってこんなヤバかったの?まさかね、もしこうだったらという架空の韓国の話かな?」という感じでファンタジーとして本作を観ました。で、観た直後にやっぱり気になって80年代の韓国について調べてみたら、「やっぱリアルでヤバかったのねww」となった。1980年代の全斗煥(チョン・ドゥファン)政権は軍事政権で民主化弾圧してたのね。へええええ、知らんかった。

本作は韓国の諜報機関である安全企画部(旧KCIA)の二つのグループの抗争というか競争の話。海外班長パク(イ・ジョンジェ)と国内班長キム(チョン・ウソン)はお互いスパイだとを疑っている。相手を出し抜かないと自分に嫌疑がかけられてしまう。果たして本当のスパイは?という話です。

なんでそこまで疑心暗鬼になるの?とか、かなりエクストリームな取り調べだけど大丈夫?とか中盤までモヤモヤします。霧の中にいるような感じ。ところが終盤になって全体像が見えてくると一気に面白くなってくる。そっかー、時代背景がわかってたらもっと面白かったかも!

スパイ映画と言っても「ミッション・インポッシブル」シリーズや「007」シリーズのようなスマートさは微塵もないです。とにかく理不尽で暴力が支配する男の世界。なんとなく80年代の角川映画を思い出した……と言ったら本作のファンは怒るだろうか?