トムトム

ハントのトムトムのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
3.5
「イカゲーム」での大躍進も記憶に新しいイ・ジョンジェの初監督作品でもありますし韓国の現代史映画にハズレがないことから期待して鑑賞しました。

韓国現代史映画は色々観ましたので結構詳しくなってきました。
舞台は1983年、光州事件の3年後、全斗煥軍事政権下の韓国です。

安全企画部(旧KCIA)の国内部と海外部の次長が内部に入り込んだ大物スパイを見つけ出すために対立を深めると言うストーリーです。

少しネタバレになりますがものすごく皮肉なストーリー。
同じ国家に属している時には反目しあうのに敵国の関係になると同じ目的のために手を結び、最終的には自国の大統領を暗殺する側と敵国の大統領を救う側で対立するという展開が良いです。

それにしてもこの時代を描いた韓国映画の拷問テクニックや暴力描写のリアリティさとアイデアには脱帽します。
というか本当にあんな感じだったんやろうな。
「犯罪都市」シリーズのお約束であるマ・ドンソクの真実の部屋のくだりが笑えなくなりますよ。

途中までリアルなスパイ戦かと思っていたら東京での大銃撃戦で「ん?」となりました。
あ、これエンタメ路線か。

そしてラストの大銃撃大爆破シーンで完全にジェラルド・バトラーの「エンドオブホワイトハウス」みたいな完全エンタメになったかと思ったら、これは実話なんかーい。

ミャンマーをタイに変更していますがコレが大枠としては実話ってヤバいな。

スパイが一体誰かという展開は良かったですし、イ・ジョンジェの人徳か非常に豪華なカメオ出演陣が揃っています。

ちょっとした所に観たことがある顔がちらほらと。
ファン・ジョンミンはやっぱりもって行きますね。
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