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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのspacecowgirlのレビュー・感想・評価

3.3
思ってたよりは面白くなかった。ちょっと期待値上げすぎていたのかも。
シャーリーズ・セロンの「スキャンダル」をもう少し現実に即して真面目に作った感じで、意図的にあまりドラマティックにし過ぎないようにしたのかもしれない。そういう意味では好感が持てるともいえる。
もっとスキャンダラスな話になるかと思っていたが、そもそもワインスタイン問題は映画にも出てきたようにミアファローの息子がジャーナリストとして前からかなり動いてそこから公になっていったこともあり、今作のNYタイムスだけがきっかけじゃないのでやはりそこが映画としてドラマチックにするには弱かった。
ただ、セクハラされた人たちの語りはとてもリアルで、自分が悪いんじゃないか、性的に捉えすぎている自分の方が恥ずかしいのでは、と巧みに思わされる状況からなかなかNOと言えない、怖くて部屋を出て行けない、という心境は私も同じように会社で役員からセクハラを受けた身として本当によくわかる。どうにか断ったあと突然仕事で無視や冷遇されるパワハラに変わる状況も。
セクハラする側や全く関係ない立場の人には被害者のリアルなど何の意味もなく響きもしないと思うけれど、今はやるとこれだけの報いがありえるのだという事だけでも伝わるといいと、切に思う。

今作だけでなく「スキャンダル」「スポットライト」などジャーナリストを主役とした映画はみな「大統領の陰謀」をなぞっているところが多分にあって、「大統領の陰謀」のすごさを改めて再認識した。
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