みち

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのみちのレビュー・感想・評価

4.4
「沈黙の対価」という言葉がやけに印象に残った。

未来へと開かれていた人生を踏み躙られた人々が、記者たちの思いに応え、真実を語り始める。閉した口の重さ。

彼女たちが、それぞれの人生におけるどのような状況でオン・ザ・レコードを決意し、どのような表情で思いを託すのか。その瞬間のリアリティと、自らの足で彼女たちの声を追いかけ続けた記者たちの思いが合わさって、感情が込み上げる。

映像でなく言葉で語られる事件の過程も凄烈だが、彼女たちを待ち受けるはずだった人生を予感させる明るいカットが、出来事の残酷さをより強く伝えてくる。記事に綴られた「実名」は、記者たちの熱意と当事者たちの決断の重み。

音楽も素晴らしかった。
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