kuronori

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのkuronoriのレビュー・感想・評価

4.3
ホントは「ノースマン」を観ようかと思っていたのだけど、隣の席の人がそんなに観たそうではなかったので、本作に変更。
(#MeToo運動のキッカケになったこの辺の顛末を知っときたい)…というくらいの気持ちでチョイスしたのですが、これが大当たり!終始スクリーンに食い入るように見入ってしまいました。

原作はミラマックスの創設者ハーヴェイ・ワインスタインの長年にわたるセクハラ行為、性暴力行為を告発する記事を書いたニューヨーク・タイムズの二人の女性記者の実録本で、この二人が主人公。登場する人物はすべて実名のよう(ちょっと最近の女優さんとかに疎くてピンと来てない)。

実録ものなので、劇的で派手な映像や展開が起きるわけでは無いのですが、そこがまたリアルな感じをヒシヒシと伝えて来ます。
冒頭の、NY(?)で働く人たちのエネルギッシュな様子を描くシーンが上手いですね。(ここでは「働く」と「闘う」がほぼ同義語なんだなぁ)と思わせます。そしてその中を出勤してくる二人の主人公のタフそうな佇まい。
さぞかし強さ自慢のような展開が出てくるのだろうと思ったら、さにあらず。働く女性として、妻として、母としての生活を踏まえた地道でしぶとい取材活動が淡々と描かれます。

詳細は観てのお楽しみですが、いかにして被害者の女優達の実名による証言の公開許可を得るかがネックとなるわけです。

これは観ておいて損になる映画ではありませんよ。
おすすめいたします。

PS.
ちょっと「大統領の陰謀」を連想しました。
kuronori

kuronori