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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのmotyのレビュー・感想・評価

3.9
《ドキュメンタリーでは描けない、女性たちの信念の闘いに寄り添うスクープサスペンス》

ハリウッドに君臨し、かつて業界の「神」とも呼ばれた映画プロデューサー(ミラマックス創設)を告発したノンフィクション本の映画化。

証言を集め裏付けを取る、ふたりの女性新聞記者が聡明で誠実で、かつキュートで、すこぶる良い。彼女たちのプライベートもきちんと描き、単なる巨悪追及《働きマン》に終始しない構成も琴線にふれる。

また、このふたりを支える編集長/編集者たちが、渋くてなかなか良い。ニューヨーク・タイムズの調査報道やFACTチェックの凄み、新聞社としての矜持や気概には、ただただしびれる。

『スポットライト』『スキャンダル』といい、何故アメリカのジャーナリズムは、真っ当に機能するのか。日本ではしばらくは無理だと思うだけに、羨ましくもある。

なお、被害者のひとりである女優アシュレイ・ジャッドは、本人役で本作に出演している。さすがにこのシーンはグッときた…。

本作の製作総指揮はブラッド・ピット(Plan B Entertainment)。彼は90年代後半、「ミラマックスのファーストレディ」の異名を取ったグウィネス・パルトロウと婚約していた。
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