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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのyumikoのレビュー・感想・評価

4.2
ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)のお話。
ミラマックスの創業者で元映画プロデューサーのハーヴィ・ワインスタインの女性に対する性犯罪を公表し、のちの#MeToo運動が広がるきっかけとなる。

ともに幼いこどもを育てる母でありながら、地道な取材を淡々とこなしていく。秘密保持契約と示談でがんじがらめの被害者は、声を上げることすらできないでいる、そんな社会のシステムにも疑問を投げかける。

被害者のアシュリー・ジャドは自身役でしっかり登場。1990年代の事件を調べてるのに現在に至るまで、次から次へ出てくる。

当時のトラウマ、恐怖に悩まされてなかなか声を上げられない女性達がポツポツと口を開き、出てくる事実の恐ろしさが身に染みる。
ワインスタインは、別に、殺傷能力があるわけでもないのに、どんなモンスターよりも恐ろしいと感じてしまう。権力を振りかざす大物の醜態よ。

この記事がなかったら、被害者は増え続けていたかもしれない。ゾッとする。悍ましい。

取材している方も、不安に押しつぶされそうになりながら、それでも、これ以上被害者を増やしたくないという思いで突き進むミーガンとジョディ。オフィスの上司達も、全面バックアップで気持ちいい。

淡々とストーリーは進むけど、非常にわかりやすく、テンポも良いので、2時間越えとは思えない。素晴らしかった。
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