ムギ山

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのムギ山のレビュー・感想・評価

4.0
おなじ調査報道ものの『スポットライト 世紀のスクープ』とよく似た感じだけど、正直「聖職者の児童虐待」というテーマがいまいちピンとこないせいもあって、こっちのほうが余程面白かった(という言い方もナンだけど)。
原作があるとはいえ、主人公の二人のジャーナリストをはじめ加害者側・被害者側の人々がみんな実名で出てくるのがすごい。またアシュレイ・ジャッドや(声だけだが)グウィネス・パルトローは自分の役で本人が出ているし、「事実をもとにしたフィクション」とか言って逃げたりせず「文句があったらかかって来い」と言わんばかりの気合に圧倒される。
のだが、この映画がアカデミー賞の各賞にかすりもしなかったのは酷い話だよなあと思う。やっぱハリウッドの人はまだ反省が足りないのではないんかねえ?
登場人物が多く時系列も複雑でぼーっと見ているとこんがらがりがちなので、新潮文庫の原作の巻頭にある「主要登場人物表」と「関連年表」を手許に置いとくといいと思います。
あと音楽が地味にとてもいい。
ムギ山

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