モカ

奇人たちの晩餐会のモカのレビュー・感想・評価

奇人たちの晩餐会(1998年製作の映画)
3.8
『奇人たちの晩餐会』
バカを夕食に招待して全員で笑い者にして楽しむという、下衆な晩餐会。

バカと言っても変わり者なだけで仕事は出来たり、おっちょこちょいだけど人の気持ちをおもんぱかってくれたり、厳密にはバカかどうかは見方によります。

が、その招待客のせいで散々な目に遭ってしまう招待主。
ぎっくり腰は悪化するわ、他の女性との関係はかき回されるわ、奥さんは出て行くわ、しまいにゃ査察官に目を付けられるわで踏んだり蹴ったりな彼。
とんでもない疫病神を招き入れてしまったと悔いても時すでに遅し。

恋人を寝取ったり寝取られたりと、不倫をおおらかに捉えている面はいかにもフランス映画らしく感じられました。
なのに日本人の笑いのツボにミラクルフィットする不思議な映画。実際自分はかなり笑わせてもらえたよ。

ちなみに、晩餐会の場面はほとんど描かれていませんでした。
悲惨な目に遭いすぎて、自宅から晩餐会を催す場までたどり着けない(というか家から一歩も出られない)災難っぷりが描かれる。
すべては自宅での出来事で、ほぼほぼワンシチュエーションによって進行する構成は見事。

あとどうでもいいけど、邦題がかなり気に入ってる。「Cons」を「バカ」ではなく「奇人」と表現したのがいいね。
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