せーや

奇人たちの晩餐会のせーやのレビュー・感想・評価

奇人たちの晩餐会(1998年製作の映画)
4.0
物陰から見てるくらいなら笑えるね…。
実際に出会ったら、笑えないね…。
友達には、なりたくないね…。

出版社社長のピエールは
毎週、友人たちを集め晩餐会を開く。
しかしそれは単なる晩餐会ではなく、個々が「バカ」を調達し、そのバカっぷりを楽しむという悪趣味な晩餐会だった。

奇人たち…とオブラート(?)に包んでるけど
要するに、バカなんです。

物語は
出版社の社長、ピエール(普通の人)
絶縁状態の友人、ジュスト(普通の人)
ピエールが招待した男、ピニョン(バカ)
を中心に進んでいきます。

このピニョンという男、
これがまた救いようのないバカなんです。

でも、これがただのバカならまだいいよ。
人を極限までイライラさせるバカなのに
彼がいないとピエールが救われない、という
どうしようもない状況なんです。

でも、性格の悪いバカならまだいいよ。
助けてやりたい一心で手伝っているのに
結果的にバカをやらかしてしまう、という憎むに憎めないヤツなんですよね…。

もし、こんな男が来たらどうするでしょう。
耐えられるでしょうか。
僕は無理です。

もともと舞台が原作だけあって
物語は部屋の一室で進められていきます。
登場人物も少なく、ピエールとピニョンの言葉のやりとりを楽しんでいくかたちです。

ピニョンのバカっぷりに
他人事だと大爆笑のジュストにつられて
笑ってしまいます。

イライラしてしまうか、
他人事だと割りきって楽しめるか、
どちらかです。

そしてラストが秀逸。
これは一見の価値ありです。
せーや

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