物陰から見てるくらいなら笑えるね…。
実際に出会ったら、笑えないね…。
友達には、なりたくないね…。
出版社社長のピエールは
毎週、友人たちを集め晩餐会を開く。
しかしそれは単なる晩餐会ではなく、個々が「バカ」を調達し、そのバカっぷりを楽しむという悪趣味な晩餐会だった。
奇人たち…とオブラート(?)に包んでるけど
要するに、バカなんです。
物語は
出版社の社長、ピエール(普通の人)
絶縁状態の友人、ジュスト(普通の人)
ピエールが招待した男、ピニョン(バカ)
を中心に進んでいきます。
このピニョンという男、
これがまた救いようのないバカなんです。
でも、これがただのバカならまだいいよ。
人を極限までイライラさせるバカなのに
彼がいないとピエールが救われない、という
どうしようもない状況なんです。
でも、性格の悪いバカならまだいいよ。
助けてやりたい一心で手伝っているのに
結果的にバカをやらかしてしまう、という憎むに憎めないヤツなんですよね…。
もし、こんな男が来たらどうするでしょう。
耐えられるでしょうか。
僕は無理です。
もともと舞台が原作だけあって
物語は部屋の一室で進められていきます。
登場人物も少なく、ピエールとピニョンの言葉のやりとりを楽しんでいくかたちです。
ピニョンのバカっぷりに
他人事だと大爆笑のジュストにつられて
笑ってしまいます。
イライラしてしまうか、
他人事だと割りきって楽しめるか、
どちらかです。
そしてラストが秀逸。
これは一見の価値ありです。