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ルビー&カンタンの一人旅のレビュー・感想・評価

ルビー&カンタン(2003年製作の映画)
4.0
フランシス・ヴェベール監督作。

刑務所で出会った男二人の奇妙な友情を描いたコメディ。

『3人の逃亡者』(1988)『奇人たちの晩餐会』(1998)『メルシィ!人生』(2000)の喜劇の名手:フランシス・ヴェベールが、ジャン・レノ&ジェラール・ドパルデューの名優コンビをW主演に起用したバディムービー型コメディの良作。

お喋り&怪力のカンタンが刑務所の中で寡黙な男:ルビーと出会う。喋らず聴き役に徹してくれるルビーをカンタンは勝手に気に入りつきまとい始める。ついには一緒に脱獄まで果たしてしまうが、二人はルビーの宿敵であるギャングのボスと警察双方から追われ始めてしまい…というお話で、恋人を殺したギャングとの攻防の中に二人の奇妙な友情の行方を描いています。友情と言っても最初はカンタンが一方的にルビーに固執する形ですが、二人で共に行動する中で少しずつ友情めいた感情が芽生えていきます(自分だったら絶対好きになれない相手だなあ~)。

対照的な性格のルビー&カンタンをジャン・レノとジェラール・ドパルデューが演じています。ルビー役:ジャン・レノは寡黙キャラですが恋人を殺したギャングへの復讐心に燃え、一方のカンタン役:ジェラール・ドパルデューはお喋り一辺倒の強烈キャラを怪演しています。存在感的にはドパルデューの圧勝でお喋りキャラにプラスして超怪力キャラを兼備しています(大の大人の男を軽々吹っ飛ばす強さ!)。カンタンは『奇人たちの晩餐会』を撮ったヴェベール監督らしいキャラクターであります(晩餐会で言う所のジャック・ヴィルレ的立ち位置ですよね!)。
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