ハヤシ

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのハヤシのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一週間を一単位とするループ、主な舞台は広告代理店の小さな一室、別にループしてもしていなくても毎日が長時間労働で似たような日々、主人公がギミック上の「主人公」ではない点、ループに複数人が巻き込まれる点、自分が謎を解くとか何か発見するではなく、チームで「主人公」を説得して行動を変えさせる点など、とにかく設定が面白い!

部長の名前が永久(ながひさ)という設定にもジワる。

ループもの自体が同ジャンルの過去作品の設定やモチーフを継承する傾向があるけど、本作は割と顕著で、劇中でループに気付いた部下から『恋はデジャブ』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『ハッピー・デス・デイ』に言及があったり、「ループからの脱出パターンにはいくつかあり〜」、「このループを起こしている『主人公』はおそらく部長で〜」というメタ発言(メタフィクション演出)が公然と行われる点が好き。

多くの方の指摘の通り、中盤の部長へのプレゼンまでが一番盛り上がる。ミッションが漫画の仕上げへと変更してからは違和感が付きまとうのも事実。

とはいえ、『恋はデジャブ』がループを通して人生哲学を伝えるものであるなら、本作はキャリアとかワークライフバランスとか「誰と仕事をするか」という主題を間接的に描いていて、コメディとのバランス感も絶妙。

俺も中小企業で法人営業していたとき、某大手企業の有名デザイナー(東京藝大卒)と仕事する機会があって挨拶したけど無視されて仕事中こちらに説明するのに一度も目を合わせてこなかったことなどがあり、(一部の)大手代理店とかデザイン系のくそイキリ具合には嫌悪感があるので、主人公の気持ちめっちゃわかるよ。
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