このレビューはネタバレを含みます
絶妙な劇団感漂うオフィスコメディだったけれど、やっぱりどんな題材も見せ方次第だなぁと恐ろしく月並みにも感心した。
タイムループもののメタ的な考察から、普通のループものにおける最初の一手である「協力者の確保」を上申制で繰り返すという新しさ、そしてギャグすれすれのインパクトあるリフレイン、スパイミッション的なタスクゲーム。
一室に収められた内容としてどれもすごく気持ちよくハマっていて、ドラマとかでしっかり楽しみたい感じもありつつこの尺だからこそ強度を保っていられるんだろうなという気もする、とにかく良い塩梅の仕上がりだった。
案外早く辿り着いたなと思ったらしっかりタイトルでミスリード誘ってた後半の部長の展開もオチも楽しめた。ループの理屈が割と良い話でお茶濁された感と転職の話の安易な終わらせ方が若干気になったものの、マキタスポーツがとにかく適材だったので良かった。
そして何より、繰り返す日々に何気ないアイデアを添える様子だったり、毎回（毎日）を丁寧に糧にしていく姿だったり、いくらタイムループしてるとは言えそれが最後の一回（一日）だという意識で臨むのならば無駄にする手は無いはずだよなっていう当たり前のことを「働く人」のループものとして描くことで、一般的な漫画的ループものに対する素朴な反撃になって効いているのが良いなと思った。
