このレビューはネタバレを含みます
タイムループ×ブラック広告代理店 という切り口が面白く、
ループを終わらせるためのシステムに“上申制度”を採用していたり、
上司にタイムループを指摘するのにプレゼン資料を作ったりなど、オフィスならではのネタが入っていて面白かった!
一巡目から“ループしている”という事実を主人公に伝えるのはちょっと急だなと最初思ったが、通して見ていくと、確かに主人公目線だとこうなるなと分かるので、後々他の人に同じ手法をとる時に感情移入しやすくて良かった。
映像もopから綺麗で、退屈な絵になりそうな日本のオフィス風景に無理なく色味を加えて鮮やかな画面になるよう工夫されてるのがよく分かった。
挿入歌もオシャレで、入るタイミングも絶妙で良かった。
そしてループものの真骨頂でもあるが、ループの度により良い仕事ができるじゃん!と主人公が仕事をどんどん効率化して上手くやっていく様が見ていて面白く、痛快だった!
ただ残念だったのは 前半面白かった分、後半の“部長の諦めた夢をもう一度”のターンにあまり興味が持てず、尺も長く退屈だった部分。
主人公が“夢のチャンスを諦めるか、ループを終わらせるか”の選択を迫られるが、部長に“夢を諦めるな”という割に自分は諦めてるじゃん、
と、テーマが一貫してないなと感じたのが退屈さの原因だったかなと。
理由付けとして憧れていた職場が実は険悪な感じだった、的な描写が為されているけど、夢を諦める理由として、それだけでは少し弱いかなと感じる。
(そもそも、部長の漫画を完成させることに関してループを終わらせられる以外の主人公側のメリットが何もない)
なんなら主人公が手伝わずとも、他の人達で何ループかすれば漫画も上達して、その人達だけでも仕上げられるんじゃないの?と思ったりとか。
何にせよ「部長にプレゼンでループを認めさせた時」以上のカタルシスがラストで得られなかったので、尻すぼみになっていると感じたのが残念だった。
全体的にはよく出来ていて、面白かったと思う!