じゅ

ワンダーボーイのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーボーイ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

シャワーとかプールは腕時計したままいくタイプなのな。


オリヴィエ・ルスタンは20歳ちょっとで大成したファッションデザイナー。自身の出自を知らなかったが、30歳になって本格的に生みの親を探し始める。


『ワンダー・ボーイ』っていう響きからなんとなくファンタジックな物語を想像したけど全然そんなんじゃなかったな。むしろドキュメンタリーってかんじの、ファンタジックなものの対極にあるようなやつでした。ネイマール出てた?
映像の雰囲気がドキュメンタリーっぽくなくて最初の方は普通にドキュメンタリーって気付いてなかった。この感覚をどう言えばいいかわからんけど。冒頭の字幕でのオリヴィエ・ルスタンという人物の紹介についても「設定ちゃんとしてんなー」ってかんじ。

養子で入った家の育ての親はたぶん善き両親みたいだし、祖父母も大好きっぽいけど、そんな恵まれた環境で育ってもやはり出自って気になるものなのか。16歳の時も実の母親に関する書類を調べようとしたみたいだったけど、今回はいろいろ知れてよかったな。
お国の機関のCNOAPってのが間に入る形になってるけど、実の母の住所が判明するところまでいけたのか。すご。オリヴィエから手紙を書いてはみたけど、実際に会いに行こうとは今もまだしていないのだと。もし拒否されたら2回目捨てられたみたいになって怖いから。かれこれ32歳になってもそういうふうに感じるんだな。
オリヴィエが1985年生まれらしく、本作が2019年公開だったっぽいので、公開時点で34歳、俺が観た2022年時点で37歳か。この3年間で、本作が実母に届いて何か動きはあったりしただろうか。もしも万が一会わないまま実母が亡くなったらそれはそれで物凄く後悔するんじゃないか。


実母がソマリアの人で実父がエチオピアの人だって言ってたっけか。なんかジブチがどうとかって話も出てなかったっけ。忘れちゃった。
母が14歳の時、父が25歳の時に妊娠して15歳で出産したんだと。なかなか碌でもなさそうな背景が想像できるけど実際どうだったんだろう。オリヴィエも母が15歳で自分を産んだと知ってむごいと号泣してたぞ。その当時15歳の母はオリヴィエの出自を彼に一生明かさないでほしいと言ったらしいので、まああまり穏やかな事情ではなかったのかな。


このオリヴィエ・ルスタンって、さまよえる子供みたいな意味で「ワンダーボーイ」だと新聞記事で言われてたんだっけか。
もしも実の親と会って話したら何を思うかとか結構断定的に想像してたし、なかなか迷いなくことを進めてるのかなーって思ってたけど、いざ実母と会うのにあと一歩ってところで進めないかんじは確かにさまよってる感ある。

でも、あと一歩だ。後悔のない決断をしてほしい。(人生の先輩に何言ってんだってかんじだけど。)
じゅ

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