うにたべたい

電エース~ハンケチ王子の秘密~のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.9
常識を超えた男『電エース』シリーズ5作目の作品。
電エースはバカ映画の巨匠・河崎実が生み出した、快楽を感じると変身する特撮ヒーローの名前で、現在も続編が作られる(一部で)大人気ヒーローです。

せっかく口説いた意中の人との初夜で気持ちよくなってしまい変身してしまう電エースこと「電 一(でん はじめ)」。
彼は変身しても問題ないほどの雄大な大地を求め、出会い系で知り合った女性・理奈さんに逢うために北海道に向かう。
北海道で美女とデートをするのですが、屈斜路湖で伝説のUMAクッシーに襲われる。
理奈さんは電エースを陥れる甘い罠だった。
電エース危うし!どうする電エース!という、毎度おなじみな無理のある展開となっています。

北海道屈斜路湖でクッシー、鹿児島県池田湖でイッシーと戦うという、シリーズ初の地方ロケの敢行が売りのようです。
地元ののんびりした雰囲気、地元のおばちゃんの温かさが伝わりますが、やってることはいつもの電エースで、あまり地方ロケ感はないですね。
日本を代表する有名なUMAと電エースを戦わせたかったのだろうと思いますが、電エースに巨大ヒーロー感は無く、怪獣のハリボテに変な格好をしたおじさんが戯れている域を出ないのが悲しいところです。
ただ、電エースはそういう作品なので、変に売れてどこぞの馬の骨監督が製作費だけかけた酷い作品になってしまうよりも"これでいい"感がすごいです。
全く応援したい気持ちになれない、まじめさが感じられないグダグダ感が全面に出ている、これぞ電エースです。

なお、ハンケチ王子というと、当時流行語大賞にもなった甲子園で活躍した斎藤佑樹選手の愛称ですが、当然ながら本作に"斎藤佑樹"は登場しません。
タイトル詐欺もいいところですが、「斎藤佑樹選手の秘密が見れる」なんて期待して視聴した方は皆無だと思います。
ラストも、せっかく地方ロケしたのに、雨の東宝ビルトで唐突に現れたメスパイと締められていて、「あーあ、グダグダだよ」となりました。
そういうわけで、期待通りで満足。河崎実ワールド全開の作品でした。