うにたべたい

電エース ザ・ファイナル ~気楽に生きよう~のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.9
快楽を感じると巨大化する常識を超えた男・電エースが活躍する特撮シリーズ7作目。
1989年アニメ情報ビデオマガジン『電影帝国』に収録されてから本作で19年目になる電エースシリーズも、ついにファイナルシーズンとなります。
ただ、本作以降も電エースシリーズは作られています。
次回作以降は主人公は南郷勇一演じる「電 一(でん はじめ)」ではなくなるようで、そういう意味で最後の電エースと言える作品です。

電エースに倒されてきた歴代敵キャラクターが結託して、電エース抹殺計画を立てるという最終回にふさわしい流れになっています。
電エースの主題歌を歌っていたオペラ歌手の「高野二郎」が巨大化して電エースと戦うのですが、弟の電次郎のサポートで倒すことに成功する。
それを見ていた敵たちは、電一と電次郎を仲違いさせるため、女のやつを使ってなんとかしようとします。
漫画家の電次郎(=加藤礼次朗)は、敵の企みで連載打ち切りになり、そこに飛び込んできた原作ありのマンガの仕事も、大事な原作を紛失していしまい浮浪者同然となる。
敵の罠にまんまとハマって大ピンチの電兄弟の前に、二人を救う謎の男が現れるという展開です。

本作は脚本を加藤礼次朗が書いているためか、過去作に比較するとまだわかる展開だと思います。
一度やられて復活するという特撮では王道の燃える場面があり、ラストも快楽の星へ帰ってゆくという、完結編らしい内容となっています。
いつものグダグダ感や内輪ネタも少なめで、あくまで電エースとしてはですが、ちゃんと作られていると思いました。
ただ、メガホンを取っているのはもちろん河崎実なので、いつも通りの電エースです。
決して感動を呼び起こすような作品ではなく、褒め言葉としてのバカ映画なので、わかった上で視聴をおすすめします。

これで電一ともお別れかと思うと寂しい気持ちもしますが、次回作以降でも監督として電エースを作り続けているので、引き続き応援していきたいと思います。