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夜歩く男のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

夜歩く男(1948年製作の映画)
3.7
フィルムノワールが好きだということに気づいた。無駄のないクライム映画。実話ベースなのでおもしろかった。

「白熱」もそうだったが、警察の鑑識や逮捕までの捜査を当時の最新の科学で気持ちいいくらい明確に説明する。もちろん今は基本のキなんだろうが、いかに科学的かが強調されている。

テンポの良さで、犯人と警察の攻防戦がだんだんと詰まっていく様子が面白い。追い詰めた、近づいたと思うと裏をかかれる。

夜歩く男の手口が巧妙で、ロサンゼルスの街の特性が利用されていた。確かにこのトリックは他の街では見たことがない。

映像はノワールらしくシャープ。

実話だからリアルだった。


📖実在した犯罪者はレイテ島の戦争で日本軍の残虐さで精神を病み、帰国後は家に閉じ籠っていた。ガールフレンドに男が犯罪自慢したことでカトリック信者だった彼女は悩み、神父に告解。そこからマークされたので映画とは違う。男の父親は地下水道のエンジニアで、男の死刑判決後に自殺。


悪が悪を呼んだ。

戦争がきっかけとは映画では描いていなかったが、現実の犯罪は心を病んだことで人格も変わり、何人も殺している。
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