スラバヤ

夜歩く男のスラバヤのレビュー・感想・評価

夜歩く男(1948年製作の映画)
4.5
 リチャード•ベースハートのぬるっと滑り込む動き、内面が全く描写されず、目を開いた死体となるまで突き進む。2回に渡る住宅侵入のシーンも素晴らしい。すでに顔を知られているはずの雇い主に声のみで呼びかけ、姿を隠匿する。外に警官が居る、のセリフで驚くような表情をするということは、ベースハートは見張られている、という契機から自らの姿をカーテン、暗闇などで隠匿しようとしているのではなく、姿を隠すことそのものがベースハートを行動させる契機となっている。ラストショットに警官らの顔は映らず、ベースハートの目を開いた死体のみが顔を露出させていることから、その「姿を隠すこと」というのは成し遂げられていると言っていいだろう。
 犬が凄く可愛い、振り返ったり飛び乗ったりミルク飲んだり。警官に勘付いて知らせるところの愛おしさ。

 
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