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電エースキックのうにたべたいのレビュー・感想・評価

電エースキック(2019年製作の映画)
3.6
河崎実が生み出した、常識を超えた男・電エースシリーズの一作品。
電エースは"母さん助けて"あたりからナンバリングがよくわからなくなります。
本作登場の電エースに変身するのは、元キックボクサーの小林さとし扮する「電五十郎」です。

突如現れた怪獣・シルビー星人に電次郎が踏み潰されてしまう。
電五十郎は、5秒間に100回キックをすることで気持ち良くなり、電エースキックに変身して怪獣を退治します。
電五十郎はスナックのママ「ナオミ」に惚れていましたが、その気持をひた隠しにしていました。
だが、その裏で最強宇宙人の「ハリウッドザコシショウ」は企んでいたという、相変わらずなあらすじとなっています。

それなりに電エースを観てきた私からすると比較的ストーリーがあります。
ただ、あくまで"比較的"なので、電エースを知らない初心者が観ると、突拍子もない展開に翻弄されること請け合いなので、おすすめはしません。
バカ映画をこよなく愛する諸氏には、相変わらずの河崎実なので、満足できる作品だと思います。

特徴として本作の電エースは迷える電エースになっています。
街中で怪獣が現れたら、すぐにビールを呷って、真っ昼間から気持ちよくなっちゃう電エースと違って、バーでお酒を飲んでも電エースに変身しません。
バーのままとラブロマンス的な展開もあり、不可抗力的に自分から美女に抱きつきにゆき、気持ちよくなる過去の電エースとはちょっと違うと感じました。
小林さとし氏の演技も悪くなく、シリアスっぽい展開もあるのですが、そんな折に電次郎が女装して告白の練習相手をするシーンが挟まったりします。
そもそも敵のボスがザコシシショウそのままで、操られたなべやかんが電エースとプロレスリングで戦うという、真面目なのかふざけてるのか、ふざけてるのかふざけてるのかわからない展開が続きます。

おもしろかったとは言わないです。
いつもの電エースが全開だった、感想としてはそれで十分だと思います。