Ryo爺

サカナ島胃袋三腸目のRyo爺のレビュー・感想・評価

サカナ島胃袋三腸目(2022年製作の映画)
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『サカナ島胃袋三腸目』は2022年の東京藝術大学大学院映像研究科が製作した短編アニメーション作品。監督・脚本は、アニメーション作家・イラストレーターの若林 萌が務める。本作は国内外の映画祭で多くの受賞をし、高い評価を得ている。上映時間は17分。


※今回はここが長いので興味の無い方は飛ばしてください。
まずさいたま市で10月7日(土)~12月10日(日)の間に開催されている″さいたま国際芸術祭″に参加して来ました。この芸術祭を知ったキッカケはまたぞろTBSラジオ「アフター6ジャンクション"2"」なのですが、芸術の‟ゲ”の字も知らない僕も「まあ近場だし行ってみるか」と足を延ばした次第です。ちなみに本芸術祭のディレクターを務めるのが、知る人ぞ知る現代アートチーム 目[me]でございます。
本作はその中の『短編アニメーション・プログラム』の内の1本で、上映は短編3本あったのですが、最初の1本目、小野ハナさん作『such a good place to die』は、時間的に間に合わず途中からの鑑賞となり、2本目の金子 勲矩さん作『Magnified City』は一番僕好みでしたが、フィルマ内では見つけられず。(調べたら2022年のTBS主催「DigiCon6 JAPAN」にて最優秀作品となるGoldを受賞した作品!)※興味のある方は下記URLから、Trailer映像がご覧になれますので宜しければどうぞ。
http://www.tbs.co.jp/digicon/24th/winning/regional.html
そして3本目が本作『サカナ島胃袋三腸目』となります。


<冒頭のあらすじ>
豚のとん吉(cv.平山犬)を乗せたトラックが海沿いの崖で横転し、とん吉含む豚たちは海に投げ出される。そして海の中で魚に丸呑みされたとん吉はその腹の奥底に暮らす魚のさかな子(cv.永野百合子)と出会い、恋に落ち、オタマジャクシのぼうや(cv.安部萌)を授かる。ある日突然、漂着した果実を皮切りに彼らの暮らしは一変する。



【アイツ、オタマジャクシだったのか、、】

あらすじを書きながら、自分の脳みそに???が充満しました。
豚は‟ぶたやまとんきち”という攻めた名前です。
そしてメスの魚は‟さかな子”、、って適当か!
そして2人の子供はオタマジャクシです、、ってなんでやねん!!

絵柄はカートゥーン調で古いディズニーアニメのような味わいでしょうか。
とん吉を見て、『タイムボカン』の「おだてブタみてぇ、、」と思ったのは僕だけではないと思います。とても寓話的な印象を持ったので、何かしらの教訓が含まれているのかと思ったのですが、僕には汲み取れずじまいでした。

あらすじの時点で理論的に理解するのは諦めたが良いかと思ったのですが、そういう切り口でしか作品を捉えられない僕はどうしてもこの作品の‟伝えようとしているメッセージは何か?”と意味や意図を探してしまいます。

はっ!意図!!Σ(゚Д゚)
またしてもアートチーム目[me]の手のひらで転がされていたようです、、。(目[me]の‟意図”に関しては後述)
※「とん吉が角煮や豚カツにならなくて良かった、、」ぐらいの感想しか湧かなかったので、今回は点数無しです。😉


<鑑賞が終わって>
上映が終わった後、芸術祭のメイン会場となっている旧市民会館おおみや大ホールをグルグル回りました。芸術作品自体の良さというのは、正直あまり汲み取れませんでしたが、そこかしこに文字、映像、小物、写真、絵画などが‟芸術”という意図を持って置かれる中で、意図の分からぬガラスの破片や蛇口からちょろちょろと垂れっぱなしの水、不自然に立てられたスポンジなどを見ていく内に、やがて僕は‟意図”を探すようになっていきました。そうしていくと目に入ってくる全てのものが芸術的な意図を持って置かれているのではないかというモノを見る意識が変容していくのです。古い建物なので、トイレの配管に書かれた文字すらも見慣れぬ表記で「これも意図して書かれたものでは?」と他の全てのモノも疑わしく思えてきます。当然この世にあるモノは何らかの意図、目的を持って存在するわけですが、、。
この時点で現代アートチーム 目[me]が仕込んだのであろう仕掛けの手のひらで踊らされるのを存分に楽しんでいる自分がいました。

芸術祭終了までまだ期日がありますので、近隣の方は宜しければ足を運んでみてはいかがでしょうか。😉
Ryo爺

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