みむさん

コメディ・クイーンのみむさんのレビュー・感想・評価

コメディ・クイーン(2022年製作の映画)
3.5
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて。

後から知ったが監督は今作と前作で2作品連続ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門の作品賞を受賞していた。

母を亡くして悲しみに暮れる13歳のサーシャと父。思春期真っ只中の難しい年頃の子とその父がどう喪失感を乗り越えていくか。
単純に前向きな映画ではなく、どうしようもなく凹みふて腐れ諦めぎみな少女が、母が生前よくやってたことの逆をやっていこうとしたりと、その思考が良し悪しは別としてそういう発想になるのかと感心してしまう。

でも根底にあるのは母不在の悲しみと、笑わなくなってしまった父への思い。
きっとお父さんもどうしていいかわからないんだよね。娘を愛していることには変わりはないが、不器用というか。
一人になるとしくしく泣いているお父さんがとても人間臭くて良い。それを娘に見られてるのも。

父の笑顔が見たいからコメディ・クイーンになるって健気すぎてキュンキュンする。
そんなサーシャの気持ちも学校では理解されず歯車が噛み合わなくなっていくのがなんとももどかしい気分になる。

コメディアンの先輩アンジェラがコメディ・お笑いについて良いアドバイスをしていて、彼女の影響も大きい。
「人は他人の幸せよりも失敗を聞くのが面白い」「まずは自分に批判的になること」
なにもかもが自分の思いどおりにならないウケないとムカつくサーシャにとっては目から鱗だったかも

グレタ・トゥンベリをいじったネタあった(飛行機に乗らずに電車に乗るだけで英雄扱いされるから気候変動好き…とか言ってた😂)