きょう

ザ・クロッシングのきょうのレビュー・感想・評価

ザ・クロッシング(2021年製作の映画)
3.0
内乱により村を追われた姉弟の逃亡劇。
世の中のグレーな領域に触れるテーマは重いが見やすい作品。

筆触の残る溶けるような独特なアニメーションが印象的。
色々な場所で人との出会いがあり、雰囲気や色彩もガラリと変わっていく。

弟は良くも悪くもその場所に順応していくが、姉は自身やルーツを貫こうとする姿が対称的で面白かった。

人生は得ては失っての繰り返し。
出会う人々の言葉も、どこか諦めが入ったようでじわりと沁みた。

別れたもの、置いてきたものは決して忘れたわけではないけれど、どんどん遠く思い出になって行く。
いつかまた巡り会えるのか。スケッチブックをめくると心の片隅に虚しさが込み上げる感覚、それが良く表された映画だった。
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