おなべ

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきましたのおなべのレビュー・感想・評価

3.7
◉知人に「今年のbest映画!」とオススメされ、完全ノーマークだった本作を2023年の劇場締めくくり映画に選択。韓国内でもノーマークだったものの、SNSを通じてスマッシュヒットし、ベトナムの韓国歴代興収No.1を記録した韓国発の笑撃コメディ作品。

◉南北の軍事境界線を監視する韓国軍のチョヌ兵士は、ひょんな事から1等6億円の宝くじ券を手に入れて喜びあぐねていたが、その当選券が北朝鮮軍の領地側に風で流されてしまい…。

◉まず、設定から面白い。南北の緊張状態を逆手にとり、宝くじの当選券を争奪するという緊張感のない浅いテーマの時点でもう笑える。さらに、動物やCG、SNSを使ったライトな演出はラフな気持ちで観るには丁度よく、最後まで飽きずに楽しめた。

◉有名な役者も出演していないのに、全ての人物がハマり役で(《キム・ミンホ(ミノ)》は『スウィング・キッズ』でも異彩を放っていたのが記憶に新しく、本作もまた似たような役柄で笑える)、予測不能な人間模様が絶妙に面白かった。

◉イメージ、『コンフィデンシャル 共助』や『トンマッコルへようこそ』のような南北関係の調和を描いた作風で、シリアスに仕上げた『トンマッコル』に対し、本作の場合は最後の最後までコメディに振り切っているため、老若男女問わず楽しめる作品になっている。











【以下ネタバレ含む】













◉1番はやはり、ドイツ語の翻訳のくだりがお気に入り。

◉靴磨きのシーンで靴を舐めて綺麗にするのは、お笑いコンビ〈かまいたち〉の《山内健二》が外反母趾かどうかを診察するため他人の足を舐めるサイコパス映像を思い出した。





※50本ほどの映画レビューを滞納し、取り急ぎレビュー。
※年間ベスト=『ジョン・ウィック4』
※良いお(映画)年を:)
おなべ

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