アトリ

アイ・ケイム・バイのアトリのレビュー・感想・評価

アイ・ケイム・バイ(2022年製作の映画)
3.4
幼なじみのトビー(白人)とジェイ(黒人)は
金持ちで差別主義者の家に侵入し、格差社会根絶の意思表明として「I CAME BAY(参上)」と落書きを残すグラフィティアーティストの活動をしていた

ジェイの彼女が妊娠し、真っ当な父親になりたいと望んだジェイは、活動を辞める決心をする
「社会に訴えかけてもなにも変わらない」とトビーを説得するジェイだったが
トビーは聞き入れず2人は仲違いをしてしまう

元判事の家に1人侵入したトビーは
物音がする地下室で、元判事の大きな秘密を知ってしまう



以下ネタバレ









特に驚きの展開はないけど
めちゃくちゃリアルだなと思った

白人の高齢者の権力で
黒人刑事や移民たちを思いのままにして
何人も殺してるのに正当に裁かれない

黒人ジェイが「黒人は捕まれば罪が重い」と言っていたけど
トビーの母はそんなこと気にもしないし
トビー自身も落書きの後ものんびりタバコを吸ったり警察の前も素通りできて
「白人だから」守られてるものがたくさんある
ことを理解していない

トビー母は、家族関係で悩む若者のカウンセラーとして働いているけど
自分は子どもと分かり合えていない

「話しかけたけど返事がなかった」という描写が何度もあった
相手の言葉や気持ちに寄り添っていない事実に、本人が全く気が付いていないということを現していたのかもしれない

ジェイは、妊娠した彼女を心配させまいと
全てを黙っていたけど
なにかを隠しているとバレて喧嘩になるまで彼女の気持ちに向き合わなかった

この映画は白人・黒人、親・子、夫・妻
様々な立場の人が無意識に享受しているものに気付いていかなければ格差社会はなくならないと言いたいのかな

導入が長いし派手なアクションもないから面白みはないけど色々考えさせられる映画だった
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