キッズ向けブロードウェイ・ミュージカルの映画化byネトフリ。ミュージカル好きには子供キャストだけで構成された初めてのミュージカル、一般的には歌手アリアナ・グランデのデビュー作として知られている作品ですが、あまり成功せず数カ月でクローズされたマイナーな舞台ミュージカルなので実際に観に行ったことがある方は少ないはず。私も未見で、事前にブロードウェイ版のサントラや舞台動画などを少し確認して鑑賞。
というわけで正直、元のミュージカル自体がパッとしない作品。が、それをかなり頑張ってアレンジを工夫し、新曲も加え、できる限りのことをして他のミュージカル映画と遜色ないレベルには引き上げています。映画化としては成功といっていいのではないでしょうか？
学園ドラマで度々批判されるovermaturityな感じはなく、非常に子供らしい物語。徹底して等身大の12~13歳の姿が描かれることで登場人物たちの心がダイレクトに伝わってきます。微笑ましくも少し胸が締め付けられる切なさもあり、大人の物語では味わえないこの感覚がよい👍アーチ―君がいいキャラ。
ユダヤ教の成人13歳の誕生日を控えたエヴァン。ところが、両親が離婚し、ニューヨーク・アッパーイーストサイドからママの実家のインディアナ州の超ド田舎へ。楽しみにしていたバル・ミツバーのパーティーも雲行きがあやしくなってきて...
子供たちの歌唱もとてもよいですね。ただ、最近のミュージカル映画は撮影時の生歌が主流になってきているので、露骨な録音の口パクがいまいち調和しておらず＆臨場感にも欠けちょっと気になるかも。
上手にアレンジしているのでそれなりにごまかされていますが、曲は正直微妙。"ヘアスプレー"や"RENT"など様々な他のミュージカルから雰囲気を借りて適当に切り貼りしたような独自性に欠けるメロディーは、耳障りはよいけれどインパクトがなくすぐに忘れてしまいそう。というかこれをちゃんと覚えて歌える子供たちが素晴らしい(笑)。最初の数曲がまだキャッチーさがあるので、後ろに行くほど盛り下がる感じも否めず... あと、ダンスの振り付けがカッコよくない、というかダサいのはご愛敬ということにしとこう。
いろいろ意地悪を書いてしまいましたが、いい意味で子供らしく、楽しく心地よい気分で観られる作品に仕上がっていて、観て後悔する感じは全くないです。ただ認知症な私は明日には忘れているでしょう...
最後に：子供が"OPP"を連呼するのはありなんか？(笑)
