かめしゃん

マグネティック・ビートのかめしゃんのレビュー・感想・評価

マグネティック・ビート(2021年製作の映画)
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・あのフランク・ザッパみたいな兄貴(よく見るとホルガー・シューカイのほうが似てる)の存在って必要かなぁ? なんか物語的にブレる気がする
 ⇨兄貴との絆、女性との三角関係、と軸がよくわからんことになる(しかし中盤は女性への想いが軸)

・80年代のノイエドイッツェヴィレでも、充分に刺激的と思うけど、主人公は、東側の文化(ワルシャワ的な)の方に強い関心があるってこと? そこら辺がイマイチ分からなかった

・つまり、彼らは完全なる「マニア」なので、英米国的な音楽は把握し尽くしていて、且つ、西ドイツ側の音楽ですら飽き足らず、東ドイツの地下で密かに息づいていた独自文化(ソ連のアンダーグラウンドシーン)にとにかく触れたかった、という理解でいいのだろうか

・ラジオDJの人力アナログループミキシングをキメて映像が締まるが、肝心の彼女の反応が煮え切らないのがいい チョロくないのがリアルでいい(そこで簡単にベタベタの甘々になると、アメリカ的になってしまい、はっきり言ってもうそこで見たくなくなるぐらい見飽きた感じになる)

・近年のフランス映画を立て続けに観ていて思うのは、「やりすぎない」ということ 100点を取りに行くのはダサい、という感じなんだろうか 映画として完璧じゃないのがいいんだ、みたいな雰囲気さえ感じる 投げている、という感じでもない 余計な力が入っていなくて、パターン化しないのはいいのかな、と思ったり

・恋の話をあーだこーだ言っても仕方ないのだけど、主人公があの女性に惹かれた理由がよくわからない 兄貴の彼女だったからでは? という単純な話なのかもしれない
・女性の方は大人なので(子供もいるし)、慎重になるのは当然だし、年齢的に、とか色々思う事あると思う
・主人公は、兄貴の想いを胸に恐らくパリに向かうが、女性を迎えに行きそうかと言われるとそこははっきり描かれない なんか行かなそうなんだよね… そこがモヤる原因だしすごい勝手だよねー、と思ってしまう(予定調和を回避していて偉い、とも言える)
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