クリーム

宮松と山下のクリームのレビュー・感想・評価

宮松と山下(2022年製作の映画)
3.9
成る程、面白かった。これは内容も凝った作りになってて良いのだけど、香川照之の演技を堪能出来ます。やっぱり、凄い。忘れてたタバコを吸うシーンで、微妙に少しずつ肺に入れる量を調整してるのは痺れた。細部まで手を抜かない姿勢はさすが。津田寛治のポイントも高いと思います。ラストも余白を残す終わり方で好みの作品だった。

映画のエキストラをしている宮松は、記憶を失っている。エキストラだけでは食べていけないので、ロープウェイの従業員の仕事もしている。ある日、彼の元に谷という男が訪れ、宮松の事を元同僚の山下だと言う。彼は、突然姿を消した宮松を探していたのだった。



ネタバレ↓



それから、宮松には12歳年下の妹がいて、彼女も会いたがっているからと彼をその実家に連れ帰った。妹は結婚して、夫婦2人で暮らしていた。
ギクシャクした会話の中で、お酒が美味しい事を思い出した。そして、買い物を頼まれ、昔、良くタバコを買っていたタバコ屋を教えてもらい、買って店先で吸う。少しずつ記憶が甦った。自宅へ帰り、お気に入りだった縁側で何本も吸い恐らく全て思い出した。そして、妹にもそれは伝わった。それから、アパートに戻り、宮松としてまたエキストラを演じる彼がいた。

現実のシーンなのか、エキストラのシーンなのか、翻弄される脚本に何度も騙され、楽しかったです。
最初の方は本当に恋人がいるのかと思ったし、嫉妬されるのも妊娠報告も全て役を演じていただけだなんて、ヤられた。記憶喪失とタクシー運転手だった事、妹がいた事は全て本当で、義弟が出て来てから、とても雰囲気が怪しくなり、終盤なんかホントに殺されたかと思った。津田寛治がとても怪しいので、ワクワクしました。
ラストは、兄妹が解り会えた様で良かったです。コンパクトで面白い作品でした。

*のんchan、ありがとう♪︎
クリーム

クリーム