shibamike

拳銃は俺のパスポートのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

拳銃は俺のパスポート(1967年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

コルトは俺のパスポート~♪
黒くて硬いパスポート~♪
スタッガーリーの頭に~こいつをぶち込んでやるさ~♪

日本が誇る天然ロケンローギタリスト真島昌利が作った傑作「アンダルシアに憧れて」の一節に出てくる「コルトは俺のパスポート」。なんちゅうイカすフレーズなのか、と思っていたら、そのままのタイトルの映画があると知り、「元ネタあるんかい!」と1人ずっこけ、今回ようやく鑑賞の機会を得た次第でありんす。

おふざけ無しの直球ハードボイルド。映画鑑賞後、自分は宍戸錠よろしく頬っぺを膨らませながら肩で風を切って映画館を後にし、富士そばで盛りそば1枚を注文したのは言うまでもない。

1つもミスを犯さない完全無欠の殺し屋宍戸錠扮する上村。口数こそ少ないものの頭には常に考え事が充満しており、つい口に出してしまいそうなのを頬っぺに膨らませて留めている。そんな殺人リスを「兄貴!」と慕う塩崎。

まずカッコ良かったのは上村が殺しの凶器をためらいもなく捨てるシーン。勿体ねえでゲス!とブー垂れる塩崎に上村が一言。「島津の腹ん中に俺はたんまり指紋を残して来た。その指紋を今消しただけだ。」カッコいい~!

依頼人からの殺しをキッチリ済ませた上村達だったが、殺しのタイミングが悪いだぎゃ!とケチが入り、反対に命を狙われることに。最後は依頼人の暴力団からも裏切られ、いよいよ背水。

上村達が身を潜める「なぎさ館」の憎まれ女将を武智豊子が演じるが、この人面白い!「女エノケン」の異名をとっていたらしいが素晴らしい。

埋め立て地での最終決戦。上村の作戦はちょっと想像の斜め上をいくものだった。犬死にしてたまるか、と頭をひねって考えたのが散弾銃と時限爆弾の攻撃。時限爆弾の練習で豆電球を何度も光らせたり日曜大工感を見てしまった。

数人から撃たれまくっても死なない、というのも凄いが、車でバンバン撃ってくる暴力団員をギリギリでかわすのも半端ない。磁石でカチッと車に爆弾を取り付けるのはちょっと笑った。

色々、突っ込み所がある気もするが、そんなイチャモンを全部ブッ飛ばすハードボイルドパワーが本作にはある。

アンダルシアに憧れての歌と映画の内容に関して、特にリンクする点を自分は見つけられなかった。

ちょっと遅れるかも知れないけれど~♪
必ず行くからそこで待ってろよ~♪
必ず行くからそこで待ってろよ~♪
shibamike

shibamike