色味といい録音といい、3、40年代のミュージカル映画を思わせながら、そこはしっかりサイコスリラー。ミア・ゴスが過剰なのかパールというキャラクターが過剰なのか、とにかく迫力ある演技と顔で見せてくる一本。前作Xを見てるから、パールがどんな人生を歩むことになるかは大体見えてるわけだが、パールの不安定さによって次の瞬間に何が起こってしまうのかに結構サスペンスがある。とはいえ、まあ読めちゃう部分もあるにはある、結構あるので悲惨な事件を流し見ている感覚もあった。このちょっと冷めちゃう視点には、大事なところでのパールへの同情できなさも勿論あるんだろうけど。