このレビューはネタバレを含みます
2D/字幕
演じる役者の魅力が120%反映された主人公、その点に関しては今年ベスト級でした。ミア・ゴスすげえ。映像の質感も好み。
鑑賞中はゴア描写の少なさに物足りなさを感じていたけど、振り返ると丁度いいバランスだったのかも。タイトル通り、今作はパール個人にフォーカスした作品だし。
「こんな環境で育ったらまあ…」と同情しかけた心が一瞬で「あ、コイツ元々やべーやつだ」と引き戻されるのが気持ち良かった。幼いパールから片鱗を感じ取った母親は、人様に迷惑をかけまいとああするしかなかったんだろうな。ただ、少しでも愛情を伝えてさえいれば…。親対子ではなく、女対女で感情をぶつけ合うシーンが好き。数秒後には悲惨なことになるんですけど。
自らの異常性に気づいていながら下手な嘘で取り繕おうとしたり、湧き上がる衝動に抗えない純粋さ・人間らしさが魅力的な殺人鬼でした。義妹を見逃す雰囲気を出した直後、さも当たり前のように斧持って追いかけてくるのは笑った。帰宅した旦那はあの状況とパールの笑顔で全てを察し、妻への恐怖心を隠し続けた結果、いつしか自分も狂ってしまったのだろうか。戦場よりずっと地獄だったのでは。
「クラーク・ケントかよ」と思ったイケメンがマジで次のスーパーマンらしく、帰りの電車で驚きました。3作目も日本でちゃんと劇場公開されるといいな。