T3K3

Pearl パールのT3K3のネタバレレビュー・内容・結末

Pearl パール(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2D/字幕


演じる役者の魅力が120%反映された主人公、その点に関しては今年ベスト級でした。ミア・ゴスすげえ。映像の質感も好み。

鑑賞中はゴア描写の少なさに物足りなさを感じていたけど、振り返ると丁度いいバランスだったのかも。タイトル通り、今作はパール個人にフォーカスした作品だし。

「こんな環境で育ったらまあ…」と同情しかけた心が一瞬で「あ、コイツ元々やべーやつだ」と引き戻されるのが気持ち良かった。幼いパールから片鱗を感じ取った母親は、人様に迷惑をかけまいとああするしかなかったんだろうな。ただ、少しでも愛情を伝えてさえいれば…。親対子ではなく、女対女で感情をぶつけ合うシーンが好き。数秒後には悲惨なことになるんですけど。

自らの異常性に気づいていながら下手な嘘で取り繕おうとしたり、湧き上がる衝動に抗えない純粋さ・人間らしさが魅力的な殺人鬼でした。義妹を見逃す雰囲気を出した直後、さも当たり前のように斧持って追いかけてくるのは笑った。帰宅した旦那はあの状況とパールの笑顔で全てを察し、妻への恐怖心を隠し続けた結果、いつしか自分も狂ってしまったのだろうか。戦場よりずっと地獄だったのでは。

「クラーク・ケントかよ」と思ったイケメンがマジで次のスーパーマンらしく、帰りの電車で驚きました。3作目も日本でちゃんと劇場公開されるといいな。
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