むぎちゃ

Pearl パールのむぎちゃのネタバレレビュー・内容・結末

Pearl パール(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

まさかの「The END」からが本番だと…


冒頭から前作を彷彿とさせる小屋からのカット。
パトカーが駆け付ける緊張感のある前作とは対照的に、牧歌的な雰囲気が漂う穏やかな農場…だが、この映画の主題がサイコガール・パールちゃんである前提があるのでこれがまた逆に不穏な空気という笑

如何にしてサイコになってゆくのか、というストーリーかと思いきや、あらま初っ端からどうかしてるじゃない。

そんな様相呈するパールのはちゃめちゃぶりを楽しむ映画かと自身のスタンスを定めていたものだから、階段下で微笑みながら母娘が抱き合うシーンは本当に悲しくなった。

環境に依らない根っからのサイコなパールも、日々最善を尽くそうとする母親も、みんな悪くない。みんなで幸せに生きる道はなかったのか。考えずにはいられない。
あの階段下は本来あるべき母娘の姿だったのかと思うとやり切れない…。

とは言え、スターを夢見る純粋無垢さと、命を奪う事への躊躇が皆無なサイコ感、この表裏一体の演技はかなり見応えがあった。
終盤の独白なんかもいつの間にか途中からカットを挟まなくなってワンショットで進めたり。
そしてやはりあのラストの笑顔!
あの長尺だから途中の変化の機微も不気味に感じたんだろうなー。

とにかくあのとち狂ったような笑顔が最高で最悪で頭から離れん。
ここから数十年後、頭を潰されるあの日までどんな人生を歩んだのか…。
考えたいような考えたくもないような…。
むぎちゃ

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