にっちもさっちも

Pearl パールのにっちもさっちものネタバレレビュー・内容・結末

Pearl パール(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

単なる前日譚を超えた前日譚。記憶に残るシーンが何箇所もあった。特にラスト15分のミアゴスの圧巻の演技には震えた。
分かりきった結末に向かって突き進むだけなのに、現実をサバイブするために隠していた異常性が少しずつ剥がれてゆく描写に戦慄。

前作ではマキシーンとパールにとっての欲望の対象だった「映画」そのものが、今作ではパールにとっての苦しい現実における無垢で無知な希望になっているのが虚しい。
自覚している異常性を「私は特別」という方向で解釈してしまうのも辛い。

前作で若い女性が踊っている写真があったけど、あれはパールじゃなくて母親の写真なのかも。そうだとしたら、パールの夢を強く否定するのもすごく納得。

前半がかなりゆったり展開するためギアが入るまで時間かかるのが少し残念。