「ここではないどこか」でスターになる計画も意志も悉く挫折させられるのならば、いっそ「ここ」でスーパースターになってしまおうという、パールのガッツ溢れる凶行は、どこか胸の空くような感覚を覚える。映像としてはホラー的に構築されていないのに、何をきっかけに、いつ爆発するか分からないパールの存在によって、全体に緊張感があるのも印象的で、『X』ほどの派手さはないが、面白い。また、OPとEDのセンスはさすがのA24といったところ。
『インフィニティ・プール』を観た時も感じたのだが、ミア・ゴスの声は不思議と耳に残る。