ryotothefilmlog

All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合のryotothefilmlogのレビュー・感想・評価

3.8
シュプリーム誕生の経緯はいろんなメディアで語られる機会があるけど、もう少し時間を巻き戻したNY (1987〜)の空気感を当事者視点で振り返るドキュメンタリーとしてはかなり興味深い一本。

現代の雑なイメージとしては、スケートとヒップホップって何となくイコールで繋げてしまいがちだけど、当時はスケート=白人、ヒップホップ=黒人と明確に区別していた的な背景はこれまで想像したことなかった。

その両者はストリート由来という部分では共通しているんだろうけど、NYという特殊な地域にたまたま居合わせた人々がミックスしていった偶然性の側面も大きかったんだろうなと。
その化学反応のインパクトは確かにすごかったんだろうなと想像する。

いちヒップホップリスナーとしてはデビュー当初のjay-zやbustaの雰囲気も最高なんだけど、2024年の現代から振り返るとこの歴史をただ懐古するだけじゃなくて、今の時代ならこんな化学反応がどんな形で起こり得るのかをもっと模索しなくてはいけない気もした。

終盤でタイショーンやビートライスドモンドもこのカルチャーの残滓を無自覚に消費する人への違和感を口にしていた訳だし。

まあ小難しく考え過ぎなのかもだけど、良くも悪くも身の回りにストリート風のプロダクトが溢れてる今だからこそ観ておいて損はない映像だと思う。
ryotothefilmlog

ryotothefilmlog