幽斎

ドント・オープンの幽斎のレビュー・感想・評価

ドント・オープン(2020年製作の映画)
3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第9界。原題「Don't Let Them In」奴を入れるな、邦題は満更見当違いでも無い。「アナと雪の女王」雪だるま作ろうで有名なフレーズ「Don't let them in Don't let them see」日本の英会話教室でよく使われる、汎用的な常套句。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

例に依ってFilmarksのあらすじがストーリィの33%をネタバレするとか意味解らん。一応スリラー(とホラー)だけど、配信元トランスワールドアソシエイツ安定のC級、2020年製作のイギリス映画。監督の自主制作だが、深夜にひっそり放送されたムービーかと思いきや、劇場公開映画と云う事実の方が地味に凄い。

低予算は一目瞭然だが、調べて見ると製作費35.000£。レビューを書いてる時点の相場で凡そ5860.000円。アメリカの一般的な低予算映画より少ない。イギリスの場合、スポンサーと言う奇特な人が少ないので、自分で借金して創るしかない。本作はUS-Amazonでも定額配信してるが、日本はクソ映画でもリリース直後の1週間とか2週間だけ課金する謎ルールは良心的じゃない。

Mike Dunkin監督と言われても本作が長編映画デビュー。アメリカのサイトで自作自演で高評価を付け顰蹙を克ってるが、プロット的にはレビュー済「ストレンジャーズ」にアレ?(笑)を足した感じ。「Don't open」と言う割には窓や扉は空くし、開けちゃダメを徹底して欲しい気もするが、ハロウィーンの金曜日に何かが起こるのは、イギリスも同じらしく、基本的にはホームインベージョン・スリラー。

少年野球の変化球程度の伏線が有るので、安易な「ストレンジャーズ」模倣だけで終わる作品が多い中では良心的。意外性のインパクトは弱いが、最近のアメリカ低予算映画の様にiPhoneで撮影したお粗末な映像でも無く、脚本の精査が素人レベルで理解不能に陥る事も無い。自主製作映画で気に為るのが、会話劇の稚拙さ。少ない予算で独自性を出そうと、プロットばかり気を摂られ、観客は置いてけ堀を喰らわされる作品が多い。イギリス映画と言う事も有り、その心配が無い本作は時間潰しには有り難い。

キャストの中でカール役Aidan O'Neillが良い味。イギリス人らしい嫌味なブリティッシュ・ジョークも冴えてたが、彼も長編映画デビュー。黒幕の人物像などスリラーで重要なパートとか、廃屋敷の不気味な雰囲気も含め、低予算の中で健闘してると寧ろ褒めたい。眠い前半を我慢すれば、首チョンパとかホラー要素もブッ混んでくる。アマプラ謎映画レベルでは、オチも含め損はしないんじゃないかな?(疑問形(笑)。

ションベンカーブのツイストを楽しめる度量の広い方なら、意外と暇潰しに為るかも。
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