たむランボー怒りの脱出

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

5.0
『眠る虫』で道端に置き忘れられた軍手が手を振ってくれる場面があるが、今回
は鴨川にいる女の子が手を振る場面が登場し、ぬいぐるみだけがそれを見届けることになるという、その両方の場面が金子作品のなかでも特に好きというか、そこに心が休まる何かを感じ取っている。誰も見ていない世界で誰も見ていないことが起こったとしても、間違いなく誰か(何か)がそれへの反応をしてくれているのだ、そのことに勇気づけられる。

「やなこと言うやつはもっとやなやつであってくれ!」という、何回も思ったことあることをめちゃくちゃ的確に言語化してくれてて、ここも激しく同意。