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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのsのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

難しいとか考えすぎとか気にしすぎとか繊細とか弱いとか、そういうことを「やさしい」と表現してくれてありがとう

女性として扱われる以前に1人の人として私のこと見てよ、って生きててずっと思ってた。どこにいったって人柄より性別が先に立つのがずっとずっとずっと嫌だった、私が意図して見せたい女性性とそれは全く別のところにあるのに 最初から人間扱いされること、人生で悲しいくらいに少ない それは今でも

大学生の時、性体験の有無でコミュニティに入れてくれないみたいなことがあり吐き気がするほどしょうもなくて嫌だった ちゃんと人として仲良くして欲しかった 悲しかった 今となってはそんなことに固執していた自分もその人たちのことも本当にどうでもいいのだが、ぬいぐるみたちに全部ぶちまけてしまえばよかったのかな 「性別なんてなければいいのに」とぶつくさ言っていたあの頃の自分が、ここ最近のムーブメント抜きにして本当の意味で救われたような気がしている。

本当に続けていきたい人間関係、何もかも対話なしには絶対に出来ないよ それをめんどくさがる人生にはしたくない
こと恋愛に対して「前提」で進むことが多すぎるの、気持ち悪いし悲しいんだよ

一度もユイちゃんのこと好きって言わなかったこと、「みんなそうやって恋愛って形で人との関わりを持っているんだ」「僕も恋愛に参加できるんだ」という台詞、その時点でなんとなく見えてくる七くんのキャラクターがディテールにまで落ちていて良いなと思った。誠実だった。嘘でも好きって言わずに自分の言葉で喋れる優しい人だと思った。自分の心の形を確かめるためにユイちゃんと一緒にいたことが自覚できそれを伝えられること、それをわかってても嫌ではないから一緒にいてみたユイちゃんも、私にとっては優しい人だよすごく
優しいってむずかしいよ

わざわざその人の事を指す、分類する単語が一度も出てこないのも良かった。肩書きより君が何が好きで何が嫌なのかあなたらしくいられる形はなんなのか、そっちの方がずっとずっと大事だから 曖昧でいいんだよそんな所属

後半号泣してたからほぼ覚えていない 心の琴線の、触れてほしくないけど気付いてほしかった敏感な部分をぎゅっと掴んで離してくれなかった 苦しかった 救われた

ユイの背中からのショットがぬいサーのみんなとどうしたって違うところにいるようで、彼女が意図してそういう立ち位置にいるのをわかっているのに何故か少し悲しかった
理解しようとするとか言葉で寄り添ってみるとか、そういうことなしに一緒にいることは、全然できる いつか彼女に対話を諦めない日が来ると良いなと思った


届けてくれて本当にありがとうございました
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